骨格筋筋芽細胞が分化する際、細胞は整列した後、筋管を形成するために融合する。高マンノース型の糖タンパク質が細胞分化に関与していると示唆されてきたが、高マンノース型糖鎖の欠損した突然変異体筋芽細胞は、筋管を形成することができる。細胞融合に参加する筋芽細胞が、幾つかの新たな糖タンパク質を合成するという証拠がある。細胞は、翁化する前にインテグリン受容体を介して細胞外マトリックスと結合する。筋芽細胞の細胞間接着はカルシウム依存性及びカルシウム非依存性の二つの機構を介して生ずる。前者のタイプの相互作用はホモフィリックであり、膜に局在するN-及びM-カドヘリンによってもたらされる。カルシウム非依存性の機構には神経細胞接着分子 (NCAMs) の、特にグリコシル-フォスファチジルイノシトール残基を介して細胞膜に結合するタイプのものが関与している。NCAM分子群はシアロ糖タンパク質であり、多型分子として存在する。燐脂質結合タイプのヒトNCAMのcDNAを筋芽細胞に導入すると、細胞は速やかに筋管に分化する。