Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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ゼラチナーゼA (MMP-2) の活性化、発現、およびその機能
Robert E. HewittMarta L. CorcoranWilliam G. Stetler-Stevenson中島 英規
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1996 年 8 巻 39 号 p. 23-36

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抄録

ゼラチナーゼAは、マトリックスメタロプロテイナーゼ (MMP) ファミリーの一員である。このMMPファミリーは、普通不活性なプロエンザイムとして分泌されて、N末端ドメインの切断により活性化され、またTIMPsにより阻害される。それらは、細胞外マトリックスの再構築や、正常な成長と分化の過程、および腫瘍の浸潤や転移のような病理学的過程に関わっている。ゼラチナーゼAは、多くの点で他のMMPと異なった特徴を持っているのでこれらの過程において特別な役割を担っていると推測されている。多くのMMPsと異なり、ゼラチナーゼAは多くの細胞で構成的に発現されており、あらゆる組織に分布している。そのほかに特別な点としては、このプロテアーゼは最近発見された細胞膜上に存在する膜型MMP (MT-MMP) により活性化されるということである。この酵素の発現は、多くの腫瘍の浸潤性に関係しており、それは癌治療に対する的確な標的となると同時に、有用な予後の指標となると推測されている。

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© FCCA, Forum; Carbohydrates Coming of Age
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