Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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8 巻, 39 号
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  • Armando J. Parodi, 佐藤 あやの
    1996 年 8 巻 39 号 p. 1-12
    発行日: 1996/01/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    本総説は、小胞体内腔において行なわれるアスパラギン結合型オリゴ糖鎖の生合成とプロセシングの過程、及びその糖タンパク質の正確な三次構造の獲得とその過程との関連を扱う。特に、UDP-Glc: 糖タンパク質グルコース転移酵素とグリコシダーゼIIにより触媒される糖タンパク質の一時的なグルコシル化が検出された研究として、トリパノソーマ原生動物において起こる反応に重点を置く。前者の酵素には、グルコシル化されていないタンパク質結合型Man7-9GlcNAc2からタンパク質結合型Glc1Man7GlcNAc2、Glc1Man8GlcNAc2及びGlc1Man9GlcNAc2の形成を触媒することにより、正確に折たたまれていないコンフォメーションを持つ糖タンパク質に糖鎖を共有結合的に付加させるという特徴的な性質がある。この酵素は小胞体の可溶性タンパク質であり、未変性のコンフォメーションではなく変性したコンフォメーションをもつタンパク質のドメイン (おそらく疎水性アミノ酸) と、大部分の糖タンパク質においては巨大分子プローブから隠されている内側のN-アセチルグルコサミンユニットを認識する。生体内において、グルコースユニットはグルコシダーゼIIにより除去される。糖タンパク質の折りたたみにおけるオリゴ糖鎖の影響についてと、同じ過程においてモノグルコシル化されたオリゴ糖鎖を認識する小胞体シャベロン (カルネキシンやカルレティキュリン) の役割について総説した。正確に折りたたまれなかった糖タンパク質は小胞体にとどめられ、そこでタンパク分解的に分解される。小胞体においてカルネキシン (とカルレティキュリン) とUDP-Glc: 糖タンパク質グルコース転移酵素が主な要素となる糖タンパク質折りたたみの品質管理を総説する。
  • Stefan Gustafson, 山形 貞子
    1996 年 8 巻 39 号 p. 13-21
    発行日: 1996/01/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    結合組織の多糖類であるヒアルロナン (ヒアルロン酸、HA)は、肝臓の内皮細胞 (LEC) が受容体を介したエンドサイトーシスを行うことにより、循環系から極めて効果的に除かれる。肝硬変のような肝疾患が起こると、LECによるHAの取り込みが減少してHAの血清濃度が増加する。
    少なくとも2種の異なる受容体活性がLEC表層には存在する。そのひとつはカルシウム依存性で直接にはエンドサイトーシスには関与していないようである。もう一つはカルシウム非依存性でエンドサイトーシスを仲介する。受容体はコンドロイチン硫酸やデキストラン硫酸のようなHA以外のリガンドも認識するので、その点でスキャベンジャー受容体に似ている。高分子量HAは低分子量HAより受容体に対して高い親和性を持ち、受容体が認識する最小のオリゴ糖は6糖である。
    エンドサイトーシスの受容体はリサイクルされ、多糖の運搬を仲介する。多糖はリソゾームに運ばれ、N-アセチルグルコサミンとグルクロン酸に分解される。肝細胞では単糖は細胞質に運ばれて最後には水、炭酸ガスと尿素にまで壊される。
    LEC上のHA受容体の分子としての性質は完全には明らかではない。受容体と思われるものの一つはHAのフォトアフィニティプローブと結合することにより得られた340kDaタンパク質であるが、まだシークエンスされていない。別の受容体と思われるものは95kDaのタンパク質で、可溶化したLECをHA結合アガロースを用いてアフィニティクロマトグラフィーを行い、HAオリゴ糖で特異的に溶出して得られた。この95kDaのタンパク質は最近一部分がシークエンスされ、細胞間接着分子1 (ICAM-1) と同一の配列を持つことが見いだされた。ICAM-1の局在性はHAの結合や取り込みを行っている組織や細胞とよく一致している。スキャベンジャー受容体に対するリガンドを用いた阻害の研究から、このタイプに属する分子はHAによく結合することが示されている。
    生理学的及び病理学的条件下で見られるHAの代謝についてのいくつかの現象は、HAのICAM-1及び/またはスキャベンジャー受容体への結合によって説明することができる。
  • Robert E. Hewitt, Marta L. Corcoran, William G. Stetler-Stevenson, 中島 ...
    1996 年 8 巻 39 号 p. 23-36
    発行日: 1996/01/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    ゼラチナーゼAは、マトリックスメタロプロテイナーゼ (MMP) ファミリーの一員である。このMMPファミリーは、普通不活性なプロエンザイムとして分泌されて、N末端ドメインの切断により活性化され、またTIMPsにより阻害される。それらは、細胞外マトリックスの再構築や、正常な成長と分化の過程、および腫瘍の浸潤や転移のような病理学的過程に関わっている。ゼラチナーゼAは、多くの点で他のMMPと異なった特徴を持っているのでこれらの過程において特別な役割を担っていると推測されている。多くのMMPsと異なり、ゼラチナーゼAは多くの細胞で構成的に発現されており、あらゆる組織に分布している。そのほかに特別な点としては、このプロテアーゼは最近発見された細胞膜上に存在する膜型MMP (MT-MMP) により活性化されるということである。この酵素の発現は、多くの腫瘍の浸潤性に関係しており、それは癌治療に対する的確な標的となると同時に、有用な予後の指標となると推測されている。
  • Monica M. Palcic, Ole Hindsgaul, 湯浅 英哉
    1996 年 8 巻 39 号 p. 37-49
    発行日: 1996/01/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
    この総説では糖転移酵素によるオリゴ糖類似体の合成について概観する。特に、化学修飾された糖ヌクレオチド供与体、あるいは化学修飾された糖受容体を基質として用いたものに重点を置いた。最もよく研究されている糖転移酵素はβ(1→4)ガラクトース転移酵素、N-アセチルグルコサミン転移酵素I、α(1→3/4) フコース転移酵素、α(2→3) シアル酸転移酵素、およびα(2→6) シアル酸転移酵素であり、これらは化学修飾された2-4糖類似体を迅速に合成するのに適している。
  • 鈴木 匡
    1996 年 8 巻 39 号 p. 51-53
    発行日: 1996/01/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
  • 石原 雅之
    1996 年 8 巻 39 号 p. 55-56
    発行日: 1996/01/02
    公開日: 2010/01/05
    ジャーナル フリー
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