時間学研究
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2018年と2021年の豪雨による久留米市の金丸川・池町川流域における浸水被害の特徴と土地利用の時空間的変遷
山本 晴彦松岡 光美古場 杏奈兼光 直樹坂本 京子岩谷 潔
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2023 年 14 巻 p. 15-35

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抄録
2018年7月5日から8日にかけての梅雨前線による豪雨、2021年8月11日から14日にかけての秋雨前線による豪雨により筑後川の水位が上昇し、福岡県南部の筑後地方に位置する久留米市では内水氾濫が発生した。特に、筑後川支流の金丸川とその支流の池町川流域では、工場、戸建て住宅、集合住宅等で浸水被害が発生し、最高150cmの浸水深に見舞われた。金丸川・池町川流域は氾濫平野で、1900年は低平地に水田が広がっていたが、1960年代には中央浄化センターが建設され、1980年に入って工業団地が開設され、戸建て住宅や集合住宅が徐々に建設されてきた。2018年と2021年における浸水被害は、豪雨により筑後川の水位が上昇したため、筑後川に流入する金丸川に設置された古賀坂排水機場において水門を閉鎖したこと、水位の上昇により排水ポンプが稼働できなかったことが要因として挙げられる。現在は、福岡県や久留米市により内水氾濫の軽減を目指した取り組みが進められている。
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