2021 年 26 巻 7 号 p. 7_17-7_21
知識伝達に潜むジェンダー統制は、メリトクラシーを前提とする学校教育では表立っては見えにくいが、ジェンダー化された役割期待、身体的な規制と許容、進路選択にみる「自発的」従属などの形で具現化されている。本稿では、教育社会学とフェミニズムの視点から、「隠れたカリキュラム」とジェンダー・コードを紹介し、ジェンダー化された知識伝達と見えない教育統制を理解する枠組みを提示する。そして知識伝達におけるジェンダー不平等の再生産を乗り越えるために、学校教育にできること、教師の役割を検討する。