わが国の医学分野136学会の連合体である日本医学会連合は、医学の学術と実践を担う団体として、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる地球規模の保健・医療・経済・社会問題への継続的かつ抜本的な対応と共に、今後とも起こり得る危機的な感染症、自然災害等に併発しうる健康危機に対応でき、さらに広く長期的な疾病予防・管理への対処を目指すため、緊急提言を2021年1月16日に発出した。その内容は、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議、分科会及びアドバイザリーボード、他の学術団体・研究機関との機動的なネットワークを構築し、より中長期的視野に立った抜本的な体制づくりを行うための「科学的エビデンスに基づく政策提言のための情報分析と活用並びに人材育成支援を行う常設組織の創設」を要望し、本組織が有効に働くための方策について国への提言をまとめた。本稿では、提言発出の背景、提言内容、課題について述べる。