2022 年 27 巻 2 号 p. 2_87-2_91
自動運転はシステムが複雑化する一方で、無数に存在する走行環境に対して高い安全性の確保が求められている。しかし、現在の自動運転車両の安全性の検証は、実環境走行下での網羅的な実績評価に依存しており、膨大なコスト(人・物・金・時間)を要する。また、自然界で起こる物理現象に対し、カメラ、レーダ、LiDAR等の外界センサは、物理的限界の検証が難しく、システムを構築する上でどこまでやれば安全性を保証できるのかといった課題がある(How safe is safe enough?)。このような背景を踏まえ、本研究プロジェクトでは、自動運転の安全性評価に必要となる実現象と一致性の高い「走行環境~空間伝搬~センサ」一連のモデルを特徴に、仮想空間シミュレーションでの評価プラットフォームを構築することを目的とする。これにより多くの環境条件(シナリオ)で精緻、且つ、効率的な自動運転の安全性評価を可能とする。