学術の動向
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コロナ禍における社会の分断 ─ジェンダー格差に着目して─
民主主義と国際社会は有効か
──コロナ禍とジェンダーの視点から
竹中 千春
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2022 年 27 巻 5 号 p. 5_35-5_39

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抄録

 どのような「パンデミック政治(politics of pandemic)」を展開してきたか。公衆衛生や医療の知識は生かされたか。国際政治の視点からは、国際社会の分断と国際協力の困難が顕著となった。比較政治の視点からは、2020年に感染抑止に成功して評価されたのが、東アジアの「開発主義国家」と、女性リーダーに率いられた先進民主主義国である。トランプ政権下の米国など、新自由主義的な経済政策と排外的なナショナリズムを掲げる政権下の諸国は甚大な被害を招いた。ジェンダーの視点からは、女性のディスパワーメントが深刻化したが、逆に女性のエンパワーメントも進んでいる。ワクチン接種が焦点となった2021年、徐々にコロナ後に進み始めた2022年を経て、権威主義的国家の機能不全も露呈しつつあり、民主主義と国際協力を促進する過程こそが、自由な議論と国民的合意に基づき、危機を乗り越える適切な科学的対処を可能とするのではないかと考えている。

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