前報と同じ二列モデルを用いて,第2報同様,着霜状態での除霜実験を行い,無着霜状態での加熱実験結果と比較して,除霜時の冷媒流動を検討した.アキュムレータと接続された列では,液を押し上げながら上昇した発生冷媒蒸気が,上段で凝縮し,下段から順次過熱蒸気単相状態に至る単列と同じ様相だが,もう一方の列では,上段への液供給はないが,発生蒸気が供給され,その蒸気が凝縮して下段へ液が下降していると考えられた.また,冷媒を充てんしない真空条件での除霜実験と比較して,上昇した発生蒸気が凝縮して凝縮潜熱を放出する冷媒の熱輸送は,両列とも上段の霜の融解に有効であり,除霜終了早期化に寄与していることを明らかにした.