日本冷凍空調学会論文集
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論文
回転するローター内部の温湿度挙動測定手法に関する研究
鍋島 佑基松浦 大介木村 竜士長野 克則
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2018 年 35 巻 3 号 p. 181-

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抄録

本研究では稚内層珪質頁岩(WSS)デシカントローターの最適化を目的に,IoT 用無線式小型センサーによるローター内温湿度測定を試みた.小型センサーを用いて間断なく回転するデシカントローター内部で生じている熱・物質移動現象を測定するため,本報ではまず,温湿度変化に伴うセンサー応答遅れの補正を行った.次に直径350mmφ,厚み60mm のデシカントローターの各表面から5mm の地点にセンサーを埋設して通風試験を行った結果,ローター表面付近の除湿再生量の推移を可視化することができた.さらに実験結果から,再生温度50 °C において除湿のピークは吸着ゾーン初期に確認できたが,ローター回転数が7 rph から30 rph に増加することで再生量のピークは250 °から330 °近傍まで移動する傾向が確認された.回転数の低い7 rph のケースでは吸着より早く脱着が完了しており,脱着速度の方が早いことが確認された

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© 2018 公益社団法人 日本冷凍空調学会
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