本研究では,エアコンの暖房運転時の温湿度環境を再現して,強制対流下で霜層を60 分間生成し,その有効熱伝導率(以下,熱伝導率)および密度を15 分ごとに測定した.実験時の環境条件は,空間の温度を1.3~1.8℃,絶対湿度を0.0033~0.0036 kg/kg(DA),基板付近の風速を2.0~2.3 m/s,基板の表面温度を-17.7~-17.2℃とした.熱伝導率は3ω法を用いて測定し,霜層の成長過程はデジタルマイクロスコープを用いて観察した.霜層の熱伝導率および密度は,生成時間の経過に伴い増加傾向を示し,熱伝導率は0.05~0.14 W/(m·K)の範囲であり,密度は55~115 kg/m3 の範囲であった.それらの増加率は,生成時間が15~30 min のときに顕著であり,30 min 以降は緩やかな傾向に変化した.また,熱伝導率は密度の増加に伴って上昇する傾向を示した.