水産加工の現場では,半解凍または解凍原料が広く用いられるが,加工機器が要求する原料状態を現場で厳密に判断することは難しい.そこで,インラインの透過方式で,非接触的に状態の異なるさば類の近赤外スペクトルを取得し,多変量解析による凍結・解凍状態の評価について検討した.線形判別分析の結果,判別正答率は,凍結状態で約98 %,半解凍状態で約85 %,解凍状態で100 %であり,さば類の凍結・解凍状態を判別できることが示唆された.本技術を用いた状態判別の自動化により,加工工程の最適化に寄与することが期待される.