論文ID: 16-20NR_OA
本研究では食品加工または前処理として非熱技術を用いて細胞構造に損傷を与え,大豆内部におけるグルタミン酸からγ-アミノ酪酸(GABA)への酵素反応を促進し,GABA 生成反応の速度論的解析を行うことにより,GABA 生成の要因を明らかにすることを目的とした.水に予備浸漬した大豆を種々の凍結雰囲気温度において凍結し解凍後,保存中のGABA 生成挙動を分析した.凍結雰囲気温度が低いほど組織が破壊され,保存中にGABA 濃度は増大した.GABA 生成反応は,大豆内部のpH 低下に伴うみかけのグルタミン酸脱炭酸酵素活性の上昇により促進されたと考えられた.