論文ID: 19-06DC_OA
本研究では粒状収着剤を気流により循環させる二槽循環式流動層を試作して,収脱着により連続的に二系統の空気間での湿度移動が可能なことを確認し,その基礎的挙動について示した.さらに,本機器における粒状収着剤による連続的な水分移動特性を解明するため,流入空気の空塔流速や湿度条件などを変化させた場合の影響に関して,収着側空気の除湿量と脱着側空気の加湿量すなわち両空気間の水分移動量を検討した.実験の結果,除加湿量は粒状収着剤の循環量に影響を受け,循環量には最適値が存在することが判明した.流入空気の空塔流速を増加させると,収着剤の循環量が増加して除加湿量も増加し,一方,循環量が多すぎると低下した.また,流入空気湿度を変化させても粒状収着剤の循環量に大きな違いはみられず,収脱着空気の相対湿度差が大きいほど,除加湿量は増加することが明らかになった.