論文ID: 20-20_EM_OA
本研究では,霜層の微細構造をX 線μCT を用いて測定し,冷却面の表面性状が霜層の微細構造に及ぼす影響について調べた.霜は冷却面上に凝縮した微小液滴を起源として成長する.液滴が合体成長の後に凍結し,その氷滴の頂部より柱状結晶が成長し,霜層が形成される.冷却面の表面性状は,この霜形成初期段階の滴状凝縮の液滴形状に影響をおよぼすと考えられる.本研究では,接触角が15 °以下の親水性と接触角96.2 °のはっ水性の2種類のシリコンチップの冷却面上に霜層を形成した.はっ水性の冷却面では親水面に比べ小さい氷滴が冷却面上に形成され,平板状の氷結晶が氷滴上部を覆い,その上部では霜密度が小さい箇所の存在が確認された.