論文ID: 21-38DE_OA
水-臭化リチウム系の作動媒体を用いた吸収冷凍機では,出力温度を低温化するために蒸発器内の冷媒に臭化リチウムを混合して希薄溶液とし,凍結温度を0 ℃以下とする方法が用いられている.本研究では,この方法を一般的な温水焚一重効用吸収冷凍機に適用し,1~3 ℃程度の低温を発生する中低温吸収冷凍機の開発を目的とする.本論文ではその基本段階として,希薄溶液の特性を考慮したサイクルシミュレーションおよびデューリング線図によりその挙動を検討した.その結果,適正な希薄溶液濃度を設定することにより,蒸発器内の凍結温度,吸収液系統の結晶化濃度に対して十分な余裕を持つ冷凍サイクルが構築可能であることを示した.