空調機用熱交換器の適切な冷媒分配を目的として,気液分離した冷媒をスリット管を用いて分配する新構造の冷媒分配器を試作した.可視化モデルによる流動状態の観察と,分配特性として液相分岐割合のばらつきを評価した結果以下のことが分かった.試作分配器の気液分離空間内に形成された冷媒液面高さは,乾き度の上昇に伴い低下する.現行の衝突式の4 分岐分配器とスリット式分配器の分配特性を比較すると,傾斜が無い条件,及び高流量条件Gr=20 kg/h では現行分配器が優れているが,傾斜がある 条件での分配特性は,低流量条件Gr=10 kg/h で,スリット式分配器が優位である.