近年,急速凍結技術の進展により冷凍食品の品質は向上し,市場は拡大している.本研究では,アルコールブラインに代わる安全性・経済性に優れた寒剤として,塩化ナトリウム濃度22%の微細氷を用いた急速凍結法の有効性を検討した.マサバを対象に芯温変化を測定した結果,最大氷結晶生成帯(−1℃~−5℃)を30分以内に通過し,急速凍結が達成された.また,アジ標本の組織観察では,アルコールブライン凍結と比較して空胞面積がやや小さく,品質保持効果が同等以上である可能性が示された.塩化ナトリウム微細氷は非可燃性,低コスト,流動性維持などの利点を有し,法規制や安全性の観点からも急速凍結用途に有望な代替寒剤となり得ることが明らかとなった.