日本シミュレーション学会論文誌
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分子動力学法を用いたDNAテロメア構造中バックボーン水素の溶媒接触表面積の評価
土田 陽平齋藤 誠紀中村 浩章米谷 佳晃藤原 進
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2021 年 13 巻 1 号 p. 32-36

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抄録

福島第一原子力発電所の廃炉に伴いトリチウム水の海洋放出が検討されている.また,将来の発電技術として期待されている核融合発電では,トリチウムを燃料として用いる.そのため,トリチウムの生体への影響を詳細に解明することが求められている.我々は,ヒトDNA中の軽水素がトリチウムに置換した際に生じる壊変効果がDNAを損傷するメカニズムを,分子動力学法を用いて解明することを目指している.壊変効果の影響を理解するためには,まずDNA中の各々の軽水素について,トリチウム置換のしやすさを評価する必要がある.そこで本研究では,ヒトDNAテロメア構造のバックボーン中に存在する水素原子を対象に,トリチウム置換のしやすさの指標を得るために分子動力学計算を実施し,各水素の溶媒接触表面積を計算した.計算結果から,バックボーン中の水素原子の中ではH5の水素の溶媒接触表面積が大きいことが判明した.

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