日本シミュレーション学会論文誌
Online ISSN : 1883-5058
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13 巻, 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
論文
  • 伊藤 建一
    2021 年13 巻1 号 p. 1-10
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/01/29
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    This study evaluated the signal transmission characteristics, the electromagnetic field distributions in and around the human body, and the biosafety criteria of magnetically coupled intra-body communication through computer simulation. The analyzed magnetic couplings were a normal inductive coupling (non-resonant coupling) and two types of resonant couplings. The target evaluation regions were the forearm and upper body, and we analyzed up to an inter-coil distance of 100 cm, which is considered to be the assumed human body communication range. The results of the frequency characteristics of the signal path loss, which were the same as before, revealed that the amount of signal loss for the inductive coupling was minimized between 2 and 3 MHz at each coil distance; one of the resonant couplings could improve the signal path loss by approximately 20 dB at a resonant frequency of 2 MHz. Furthermore, when the signal voltage was 1 V, the electric field strength in the body was smaller than the general environmental limit value by more than two orders of magnitude. The local specific absorption rate was smaller by approximately four orders of magnitude; thus, it was concluded that the magnetic field method is very safe for the living body.

学生論文特集
  • 田村 裕, 齋藤 誠紀
    2021 年13 巻1 号 p. i
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/21
    ジャーナル フリー
  • 辻村 新, 阿蘇 司, 緒方 良至, 板津 英輔
    2021 年13 巻1 号 p. 11-17
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/03/25
    ジャーナル フリー

    土壌や水等の放射能定量において,許容される精度の範囲内で簡易に実施できる方法が求められている.提案されている手法を多様な条件で検証するためには,シミュレーションが有効である.簡易に実施できる絶対測定法に従来サムピーク法と簡略化サムピーク法が提案されている.しかし,両手法は,これまでに,点線源試料で検証されているが,体積線源試料の場合には放射能を過小定量することが報告されている.過小定量の要因には,測定対象の核種から放出される2本のγ線の角相関,幾何学的効果,そして試料内におけるγ線の自己吸収が挙げられる.それらの影響の度合は線源検出器間距離(SDD)に依存するが,系統的な測定による評価は難しい.本研究では,Geant4モンテカルロ法を用いて測定系を模擬したシミュレーション体系を構築して過小定量の要因とSDDとの関係を調査した.その結果,50 mm厚の体積線源では,SDDが10 cm以下では角相関ならびに幾何学的効果による影響が大きく,SDDが10 cm以上の測定を行ったうえで定量値を評価する必要があることが示された.また,SDDが10 cm以上では,試料内の自己吸収に起因する放射能の過小定量が主要因であり,その量は一定であることが示された.

  • 小林 知嵩, 内藤 健
    2021 年13 巻1 号 p. 18-22
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/05/25
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    自然界に存在する生命分子や原子核分裂直後の粒子対のサイズ比(質量比)の必然性を解明するために,流体力学的な近似モデルを拡張した確率論的運動量保存則のモデル(Naitoh:J. of Physics, 2012)が提示された.このモデルに1次元空間でのテイラー展開を施した後に,新たな安定性概念(最弱の安定性である準安定性)を適用することで,対称および非対称なサイズ比(質量比)が共存する理由が定性的に解明された.従来,原子核分裂については,エネルギー保存則に対してなされてきたが,この新たなモデルは,3次元非定常の運動量保存則によるもので,ベクトル量(速度)も扱っており,空間次元が高いことが特徴となっており,スカラー量のエネルギー保存則と比べて,より詳細なメカニズムの解明が期待できる.著者は,更に,多次元のテイラー展開を導入して,拡張した式とすることで,生命・非生命の粒子のサイズ,質量比の頻度分布を,従来よりも正確に求めることができることを示してきた.(Kobayashi and Naitoh, JASSE, 2019)しかも,多次元のテイラー展開を施した後にあらわれる項の群を,表面力系,対流系,中間系の3種に分類することで,ウラン235の核分裂反応における原子核内部の対流の強さ(つまり,衝突させる中性子のエネルギーレベル)が,生成される原子核の質量分布に影響するメカニズムも解明してきた.本研究では,この理論を凝縮系核反応にも適用する.投入するエネルギーレベルが小さいことを元に,表面力系および中間系の2種類の項の群を用いて反応生成物の質量分布計算を行った結果,凝縮系核反応の反応生成物の質量分布について,ある程度説明することができた.

  • 小林 直輝, 山﨑 達也, 佐藤 翔輔
    2021 年13 巻1 号 p. 23-31
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/05/27
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    災害時に迅速な避難を実現するためには,適切な情報を確実に避難者へ伝達する必要がある.特に都市部では地域外から訪れる人も多く,地域の避難場所の情報を知らない可能性が高い.防災行政無線や緊急速報メールでは,広範囲に向けて同一の情報を伝達することに向いてはいるが,避難者のいる位置に適した局所的な避難情報を適応的に伝達することには不向きである.本稿では,個々の避難者の位置によって異なる避難場所に関する情報を提供する方法として,タクシーを活用した避難誘導システムを提案する.更に,提供する情報として,地域の災害に対する危険度をハザードマップから取得した地域の災害に対する危険度を考慮し,発災後の経過時間に適した避難方法を選択することを提案する.検証実験として,格子状の仮想都市においてタクシーによる情報発信の有無に関するシミュレーション行い,本提案の有効性を確認した.また,提供情報に関する実証実験として,実際の都市を対象とした避難シミュレーションを行い,提案手法と最寄りの避難場所を選択する場合の二つを比較した.実験結果より,提案手法を適用することによって,津波に遭遇する確率を4.80%低減できることが検証できた.

  • 土田 陽平, 齋藤 誠紀, 中村 浩章, 米谷 佳晃, 藤原 進
    2021 年13 巻1 号 p. 32-36
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/06/15
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    福島第一原子力発電所の廃炉に伴いトリチウム水の海洋放出が検討されている.また,将来の発電技術として期待されている核融合発電では,トリチウムを燃料として用いる.そのため,トリチウムの生体への影響を詳細に解明することが求められている.我々は,ヒトDNA中の軽水素がトリチウムに置換した際に生じる壊変効果がDNAを損傷するメカニズムを,分子動力学法を用いて解明することを目指している.壊変効果の影響を理解するためには,まずDNA中の各々の軽水素について,トリチウム置換のしやすさを評価する必要がある.そこで本研究では,ヒトDNAテロメア構造のバックボーン中に存在する水素原子を対象に,トリチウム置換のしやすさの指標を得るために分子動力学計算を実施し,各水素の溶媒接触表面積を計算した.計算結果から,バックボーン中の水素原子の中ではH5の水素の溶媒接触表面積が大きいことが判明した.

  • 高橋 徹, 阿部 和規, 藤井 秀樹, 伊加田 恵志, 松平 正樹
    2021 年13 巻1 号 p. 37-47
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/06/26
    ジャーナル フリー

    さまざまな交通流シミュレーションモデルが,関心のある現象や必要とする再現性,対象領域の広さに応じて提案されている.そのうちの1つとして,交通状況や道路網の特性の違いを考慮して粒度の異なる2つ以上のモデルを使用するハイブリッド交通流シミュレーションのアプローチがある.なかでもシミュレーション中に各モデルの適用領域を動的に切り替える動的ハイブリッド交通流シミュレーションは,高い再現性を保ったまま広範囲に適用できる可能性がある.しかし研究事例はほとんどなく,モデルの切り替え基準とその効果が十分に調査されているとはいえない.本研究では,新たな動的ハイブリッド交通流シミュレーション手法,とくにモデル切り替え基準を提案し,性能を評価した.また現実の高速道路で取得されたデータを用いて検証し,提案モデルが高精度かつ低計算コストでの高速道路のシミュレーションに適していることを示した.

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