2026 年 18 巻 2 号 p. 48-56
近年,物理法則を損失関数に組み込むニューラルPDEソルバが注目を集めている.本研究では,各エッジに学習可能な1変数関数を配置する新しいネットワーク構造であるKolmogorov-Arnold Networks(KAN)をニューラルPDEソルバに適用した際の有効性と限界を,トポロジカルソリトンを対象として明らかにする.具体的には,1次元キンク解を題材に,Physics-Informed Neural Networks(PINN),著者らが提案する差分法ベースのNeural Network for Differential Equation(NNDE),およびそれぞれにKANを組み込んだKAN-PINN・KAN-NNDEの計4モデルを,精度(MSE)と計算コスト(学習時間)の観点から比較する.さらに,KANの性能を左右するBスプラインのグリッド数に着目し,精度と計算コストのトレードオフにおける適切なグリッド密度を検討する.本研究は「KAN × トポロジカルソリトン」という観点から系統的なベンチマークを与え,ニューラルPDEソルバの手法選択に資する指針を提示する.