抄録
著者らはオンコセルカ症の調査のため, 1982年に約2カ月間ベネズエラ国アマゾナス州と北部諸州とに滞在した・そのうち10月19日から11月2日までアマゾナス州パリマとその周辺に滞在し, オンコセルカ症を媒介するブユの採集と疫学調査を実施した。特に, シャボノと呼ばれるヤノママ族の家屋内を歩いた。その後, 4人のうち3人がスナノミの寄生をうけた, 寄生数はそれぞれ5, 4, 1匹であった。摘出された標本の形態的特徴から, これらはすべてスナノミTunga penetransと同定された。皮膚を切開してスナノミを取り除き, 抗生物質軟膏を塗布したが, その後, 痛みと独特な異物感は消失し, 創口は急速に治癒した。