Japanese Journal of Tropical Medicine and Hygiene
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B型肝炎表層抗原の慢性肝炎, 肝硬変および肝硬変に伴った肝細胞癌組織中の陽性率の減少傾向
千馬 正敬中村 剛板倉 英世
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1987 年 15 巻 1 号 p. 25-28

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抄録
1964-1973年と1974-1983年の各年代におけるB型肝炎表層抗原の陽性率を急性肝炎, 慢性肝炎, 肝硬変, 肝硬変に伴った肝細胞癌および肝細胞癌の組織を長崎大学病院の剖検肝臓422例を使用して検索した。B型肝炎表層抗原は急性肝炎の17例の全て陰性であり, 慢性肝炎および肝細胞癌の例では1964-1983年の差は小さかった。また, B型肝炎表層抗原は肝硬変および肝硬変に伴った肝細胞癌の例で減少していた。しかしながら, 2年代におけるB型肝炎表層抗原の減少は肝硬変に伴った肝細胞癌の例では有意であったが, 肝硬変では有意ではなかった。このことは最近の10年間ではB型肝炎ウイルスによる輸血後肝炎がなくなったためと思われた。
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