東海大学看護研究
Online ISSN : 2758-612X
論文
がん告知から退院後の診察における外来看護実践の様相:大腸がん患者と家族を支える外来看護師のエスノグラフィー
松本 啓子前田 泰樹井上 玲子
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2024 年 1 巻 1 号 p. 34-42

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抄録

目的:大腸がん患者と家族における告知からその後の診療の経過において,外来に勤務する看護師が行う看護実践の意図や,患者および家族との相互作用からみえた支援の様相を明らかにする.方法:エスノグラフィーを用いた.結果:外来看護師における大腸がん患者と家族への看護実践は,告知場面,入院説明場面,退院後初診察場面,2回目の診察場面を重要な局面とし,【患者と家族で手術を乗り越えられるよう支援する】【家族を入院時のサポート役割と位置づけ説明する】【患者と家族の様子から支援が必要か判断する】【術後の治療方針決定により今後も経過を気にしてい(く)】た.それは『その時々の場面にある患者と家族を継続して気にかける実践』であった.結論:『その時々の場面にある患者と家族を継続して気にかける実践』は4つの場面を意識することで,支援が必要な患者と家族に気づき,タイミングを逃さずに支援できる可能性が示された.

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© 2024 東海大学医学部看護学科
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