2025 年 2 巻 1 号 p. 9-17
研究目的は新入社員のワーク・エンゲイジメント(WE)へのコロナ禍の影響と上司の関わりの工夫を明らかにすることである.ストレスチェック結果よりWE2項目,上司の公正な態度2項目,上司による支援3項目の計7項目について,コロナ禍前入社群41名とコロナ禍入社群35名の1~2年目の経年変化と両群間の平均得点の差を比較した.コロナ禍入社群の入社2年目の結果より肯定的な回答が得られた上司7名へインタビュー調査を行った.2年目同士の比較では7項目すべてでコロナ禍入社群の平均得点が有意に低かった.入社1~2年目の経年変化は上司の公正な態度2項目とWE2項目がコロナ禍入社群のみで有意に低下していた.上司の関わりの工夫として【対面で会える時間をつくる】等を含む5カテゴリーが抽出された.コロナ禍入社群の上司の公正な態度,WEが入社2年目で低下していた.また職場の上司は新入社員が孤立しないよう支援を工夫していた.