特殊教育学研究
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強迫神経症様症状を呈する精神薄弱児に対するオペラント技法の適用
鈴村 健治
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1973 年 11 巻 2 号 p. 15-20

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抄録

不安は学習したものが多く、条件づけられたものであるならば、再条件づけをすることによって解消することができるといえよう。本ケースにおいては一次的原因にさかのぼって回復させることが困難であったため、対症的アプローチによって行動を変容するように試みた。実際に刺激を操作することによって、具体的な体験を与えることは本児のはあい有効であり、約3週間で療法室に入れるようになっている。直接指示することによって療法室に連れてくるような手段はとっていない。自発性を重んじ、強化によって行動の方向が自然に変っていくように努めた。したがって本児自身が内的にコントロールして、自らを回復するような努力をさせることは全くしていない。またステップも小さくしたので、とくに強力な強化を使用しなくても充分良い結果を得ることができた。しかし、根本から症状が回復したわけではないので、不安な事態が起れば初めの状態にもどってしまう可能性は充分にある。したがって今後も不安傾向に対しては留意する必要がある。

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© 1973 日本特殊教育学会
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