抄録
身体障害者(視覚障害者を除く)の人間関係について最初に性格特性と関連づけて検討し、次に職務要因、モラール、障害老及び職場の属性との関連性を検討した。性格特性は人間関係と関連があり、特に「追従」、「親和」、「内罰」、「養護」、「持久」の各性格特が関連していて、それらの特性における得点は、人間関係得点の低いグループよりも高いグループの場合のほうが高かった。判別分析によっても、性格は人間関係の良し悪しをよく予測し、「追従」、「親和」、「持久」の性格特性は約90%の適中率で人間関係得点の高いグループと低いグループを判別することが明らかになった。人間関係を規定する要因として、職務要因、モラール、勤続年数、年齢、学歴、障害の重症度、職種、組織規模をとりあげ検討した結果では、重回帰分析によって職務要困とモラールが最も重要な要囚であることが判明した。