特殊教育学研究
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精神遅滞児の文字訓練におけるモンテッソーリ型アプローチ(序報)
井田 範美
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1982 年 20 巻 1 号 p. 41-47

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抄録
同一MAレベルの中度精神遅滞児ならびに普通幼児にとって未経験のアルファベット文字によるモッテッソーリ的システムを作成し、以下の方法による実験を試みた。第1にマッチング法による文字の視覚弁別を試みた。第2に文字の呈示法として視覚ならびに視覚-書写の2方法による文字の視覚再認(視覚弁別)と視覚再生(書く)を試みた。第3に視覚-音声呈示による視覚的再認(視覚弁利)、聴覚的再認(聴覚弁別)聴覚的再生(発音)を試みた。視覚呈示法よりも視覚-書写呈示法の方が有効であった。又、視覚-音声呈示法における結果の順位は、視覚再認>聴覚再認>聴覚再生であった。遅滞児と幼児による遂行の結果は多くの点で類似していた。結果の全体をとおして、遅滞児の認知的水準、動機づけを配慮する訓練システムの適切な提供が重要であることが指摘できる。
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© 1982 日本特殊教育学会
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