1984 年 22 巻 1 号 p. 1-6
6歳から12歳の脳性マヒ児64名を対象としてDAM、WISC-R、ベンダーゲシュタルトテストを実施し、それぞれのテストのIQの関係を分析することにより脳性マヒ児のDAMに関する併存的妥当性を検討した。ベンダーIQ、PIQ、VIQともDAMIQと有意な相関係数を示し、しかもこれらの値は精神薄弱児(者)と普通児を対象とした従来の研究結果よりも高い傾向にあった。しかし、偏相関係数の分析と重回帰分析から、(1)VIQはDAMIQとの間に有意な偏相関係数を示さない、(2)DAMIQの分散の大部分はベンダーIQの変動によって説明可能である、(3)PIQはベンダーIQには及ばないが、有意でかつ重要な関係をDAMIQとの間に持つ、ことが明らかとなった。