特殊教育学研究
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脳性まひ児の把握運動と手関節屈伸運動に関する分析的研究
中井 滋
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1984 年 22 巻 1 号 p. 7-15

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抄録

CP児の把握運動と手関節運動について検討するために、それぞれの運動スキル要素の観点から測定を行った。そして、それらのスキル要素が健常児とCP児ではどうか、また病型別ではどうか、また利き手と非利き手ではどうか、さらにスキル要素はどのように分類できるかということを明らかにすることを目的とした。その結果以下のようなことが明らかにされた。(1)把握運動と手関節運動のスキル要素では、CP児は健常児よりも劣り、病型別ではアテトーゼ型は痙直型よりもかなり劣っていた。(2)利き手と非利き手に分けてみると、健常児に比べてCP児は非合理的な運動をしていることが判明した。(3)スキル要素を主成分分析した結果、速さと力の調節、手関節の可動域、知能の3個の主成分が抽出され、さらに平面上への因子負荷量の布置により2グループに分類された。本研究の一部は日本特殊教育学会第20回大会、及び第21回大会で発表したことを付記します。

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© 1984 日本特殊教育学会
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