特殊教育学研究
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精神薄弱児の骨年齢と測定知能との関係
横山 泰行
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1985 年 23 巻 1 号 p. 46-50

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抄録
本研究は、養護学校12校に在籍する9歳から16歳までの精神薄弱児男子342名と女子196名のTanner-Whitehouse 2 20-bone方式による骨年齢と個別式標準一般知能指数、米国精神薄弱学会(AAMD)の測定知能水準のカテゴリー・スコアとの相関関係を解析したものである。精神薄弱児の骨年齢は英国の平均的な社会経済階層に属する健常児から算出された骨年齢標準値と比較された。1)精神薄弱児の骨年齢は英国の標準値と比較して、男子9、10歳、女子11歳の3年齢群で有意に低く;男子13-16歳、女子12歳の5年齢群で有意に高い値であった。2)精神薄弱児の骨年齢と知能指数、AAMDの測定知能水準のカテゴリー・スコアとの相関係数は9歳から16歳までの男女精神薄弱児において、男子15歳の1年齢群のみが5%水準で有意であった。3)精神薄弱児では男子の一部年齢群を除き、骨年齢と測定知能との間にはlinearな関係がないと結論付けることができる。
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© 1985 日本特殊教育学会
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