抄録
本研究の目的は、脳性まひ者の運動反応プロセスの様相を検討することである。そこで、脳性まひ者20名と健常者20名の肘屈曲運動と前腕回外運動の反応時間を単純反応課題と選択反応課題を用いて測定した。その結果、健常者では回外の方が屈曲よりも反応時間が短かった。そしてこれは単純反応課題よりも選択反応課題において顕著に認められた。一方、脳性まひ者では健常者と逆に屈曲の方が回外よりも反応時間が短かった。しかし、これが選択反応課題において顕著に認められることはなかった。また、健常者では認められなかったが、脳性まひ者では屈曲誤反応の方が回外誤反応より多かった。これらのことから、脳性まひ者は、運動出力ステージに問題を持つこと、判断ステージと運動出力ステージが健常者のように連続的かつ独立には処理を行っていない可能性があることが推察される。