特殊教育学研究
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動作対話法の重度精神遅滞児への適用例
遠藤 眞塚越 昌幸
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キーワード: 動作対話法, 精神遅滞, 治療
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1991 年 29 巻 3 号 p. 47-53

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抄録

動作対話法は、腕肩の動作を媒介にして治療者が子供との交流を図り、そのことで子供の発達を促進しようとする治療法である。本事例研究では、4歳の重度精神遅滞児に動作対話法を適用した事例を取り上げ、その治療経過についての分析を行った。動作対話の経過では、初め治療者とかかわることを回避していた本児であるが、治療が進むにつれ、動作を媒介として治療者と積極的にかかわるようになり、そのかかわり方の様式も向上していった。それに応じて日常生活でも、本児と外界との交流が活発となり、本児の行動様式も発達して、それが本児の家族や保母、子供達へのかかわり方、遊びの変容となって現れた。動作対話における治療者との交流の仕方の変化の特徴と、日常生活場面における人や事物との交流の仕方の変化の特徴には類似性が認められた。

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© 1991 日本特殊教育学会
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