特殊教育学研究
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不登校傾向児の早期指導プログラムの検討
松田 善衛
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1992 年 30 巻 3 号 p. 75-80

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抄録

小学校低学年における不登校傾向児に対する早期指導の方法として、行動変容理論を適用した早期指導プログラムによる指導が効果的であると考えられる。そこで、本稿においては、不登校傾向にあるA児(小学校2年・男子)に対して、早期指導プログラムを作成し、これによる指導を試み、その有効性を確かめた。その結果、次の点が明らかとなった。(1)指導プログラムを作成することによって、指導が計画的、具体的に行われた。(2)指導の経過や評価が明確となり見通しを持って指導できた。(3)指導に関係のある学級担任者や両親・家族等にも指導方法・指導内容や指導経過等が具体的に説明でき協力が得られた。(4)指導は、予想以上に早い11日目で完了できた。以上の結果から、不登校傾向児に対する早期指導プログラムによる指導の有効性が確認された。

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© 1992 日本特殊教育学会
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