抄録
重症心身障害児心拍数の経年変化を検討した。まず横断的検討として3歳から49歳までの216名の重症心身障害児の安静時心拍数を、年齢と寝たきりか否かという運動機能とから検討した。その結果、年齢経過にともなう心拍数の減少傾向があった。しかし、両群の構成年齢に差があったため、年齢幅をそろえた縦断的検討を行った。1歳から40歳までの重症心身障害児40名を対象に、1年毎の心拍数を寝たきり群20名(平均28.4年間)、非寝たきり群20名(平均24.1年間)について求め、比較した。その結果、心拍数の経年変化には運動機能の差異が影響を及ぼしていること、年齢段階により、その減少傾向にも相違のあるという結果が得られた。