3名の自閉症生徒を対象に、代表例教授法(General Case Instruction)を用いて料理指導を行い、正確で広範囲な般化を可能にするための要因について分析を行った。まず、26の料理品目から料理行程に含まれる代表的な反応型が抽出され、それらを多く含む3つの品目が直接訓練品目として選定された。そして、料理カードと教示ビデオを使用して直接訓練品目について指導が行われ、未訓練の5品目について般化が測定された。結果、カード参照行動については1品目の指導によって、未訓練品目への般化が確認された。料理行動についても刺激(材料・数値等)が異なっていても同一の反応型であれば般化が示され、未訓練の5品目全ての料理が可能となり、代表例教授法の品目間般化促進に対する有効性が示された。また、料理カード配布による家庭での料理行動の変容、16ヵ月後のスキルの維持も確認された。