特殊教育学研究
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34 巻, 1 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 喜多尾 哲, 梅谷 忠勇, 堅田 明義
    原稿種別: 本文
    1996 年 34 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 1996/06/30
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    言語媒介機制に違いがみられた軽度(IQ51以上)および中度(IQ50以下)精神遅滞児を対象に、過剰訓練の効果を健常児と比較検討した。過剰訓練条件における過剰訓練量は20試行とし、各被験児群の平均MAは5歳台であった。その結果、中度遅滞児群では過剰訓練により、移行学習の所要試行数が減少し、逆転移行速習者の数が増加した。また、ブロック試行(5試行ごと)における正反応率の変化では、中度遅滞児群でもほとんど誤反応を示さずに移行学習を達成する被験児が多かった。このような傾向は、軽度遅滞児群、健常児群の順に顕著になった。他方、言語報告者の割合では、健常児群は過剰訓練によって適切な手がかり名を言語報告した被験児が増えたのに対し、両遅滞児群では、そのような傾向はみられなかった。以上から、中度遅滞児においても過剰訓練効果があったといえる。それはとくに移行学習事態において先行学習での手がかりの消去を促進する効果があると考えられた。これらのことから、中度遅滞児も非言語性(注意的)の媒介過程の使用が可能になることが示唆された。
  • 小林 久男, 佐野 ゆかり
    原稿種別: 本文
    1996 年 34 巻 1 号 p. 9-17
    発行日: 1996/06/30
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    本研究では、精神遅滞児の利き手について、性差、遅滞の程度、及び親の利き手との関係の3点から検討した。健常群は2〜3歳、4歳、5歳、6歳、8〜14歳、15〜26歳の6年齢群について検討し、遅滞群は軽度・中度・重度の3群で検討した。利き手の測定は質問紙法によった。6種類の動作項目によるラテラリティー指数から右手・混合型・左手の各タイプの利き手の出現率を求め、混合型についてはさらに指数の絶対値から側性化の程度も検討した。その結果、健常群男子では2〜3歳群と8〜14歳群が他の年齢群に比べて混合型が有意に多く、またこれらの年齢群では性差が見られ、男子で混合型が有意に多かった。遅滞群では、遅滞の程度、男女間において差はなかったが、健常群との比較検討からは、遅滞群女子で混合型が有意に多かった。親の利き手との関係の検討からは、遅滞群女子で非家族性の(病理的)要因の関与が大きいことが推測された。
  • 井上 暁子, 井上 雅彦, 小林 重雄
    原稿種別: 本文
    1996 年 34 巻 1 号 p. 19-30
    発行日: 1996/06/30
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    3名の自閉症生徒を対象に、代表例教授法(General Case Instruction)を用いて料理指導を行い、正確で広範囲な般化を可能にするための要因について分析を行った。まず、26の料理品目から料理行程に含まれる代表的な反応型が抽出され、それらを多く含む3つの品目が直接訓練品目として選定された。そして、料理カードと教示ビデオを使用して直接訓練品目について指導が行われ、未訓練の5品目について般化が測定された。結果、カード参照行動については1品目の指導によって、未訓練品目への般化が確認された。料理行動についても刺激(材料・数値等)が異なっていても同一の反応型であれば般化が示され、未訓練の5品目全ての料理が可能となり、代表例教授法の品目間般化促進に対する有効性が示された。また、料理カード配布による家庭での料理行動の変容、16ヵ月後のスキルの維持も確認された。
  • 中邑 賢龍
    原稿種別: 本文
    1996 年 34 巻 1 号 p. 31-40
    発行日: 1996/06/30
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    本研究では、日米における障害を持つ人に対する態度を、両国に存在する法律・制度との関連で検討した。研究1では、日米大学生の態度をATDP尺度(Yuker,Blockand Young,1966)を用いて測定した。その結果、米国の学生の方が日本の学生に比べて、障害を持つ人により肯定的態度を持つことが明らかになった。また、障害を持つ人に対する特別な法律・制度に対する態度も測定され、財政的支援に関しては、日本では肯定的、米国では否定的態度が示された。研究2では、障害を持つ人に対する特別な方針を日米のテーマパークで比較した。入園料金の割引に関して、日本のテーマパークの方が多くこの制度を取り入れており、障害のタイプにかかわらず身体障害者手帳や療育手帳の提示による一律の割り引きを行っていたが、米国では障害によってはすべての乗り物やアトラクションを楽しめないという理由から選択的割り引きを実施していた。結論として、両国で、障害を持つ人に対する異なる態度や特別な制度が示された。その学生の態度は、それぞれの国の法律や制度に沿ったものであった。
  • 野口 和人
    原稿種別: 本文
    1996 年 34 巻 1 号 p. 41-46
    発行日: 1996/06/30
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
  • 星野 常夫
    原稿種別: 本文
    1996 年 34 巻 1 号 p. 47-51
    発行日: 1996/06/30
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
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