1998 年 35 巻 4 号 p. 29-34
「学習障害」の理解と適切な指導法を学ぶことは、教師の基本的資質を備える上で大変重要なことである。しかわが国において、「学習障害」は比較的新しい概念であり、このことに関する教師の理解は必ずしも十分とはいない。それゆえ現職研修の充実が急がれる。筆者等は平成6年度、全国44の特殊教育センター等を対象として「学習障害」に関する現職研修についての質問紙調査を実施し、36のセンターから回答を得た。その結果、(1)「学習障害」に関する研修講座が平成4年度以降増加していること、(2)開設講座数に地域格差がみられたこと、(3)受講者の7割以上が特殊教育担当教師であり、通常学級担当の教師は少なかったこと、(4)研修の方法が講義から実践的指導へと変化してきていることが明らかになった。