特殊教育学研究
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不登校姉妹への再登校行動の形成 : 家庭内の不登校誘発・維持要因により生じた事例
小野 昌彦豊田 麻衣子川島 直亮三好 義弘小林 重雄
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1999 年 37 巻 1 号 p. 23-31

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抄録

本研究の目的は、不登校姉妹へ、小林ら(1989)及び小野・小林(1993)のプログラムを基にした介入過程を報告し、その有効性と問題点を検討することである。両症例は、家庭内の不登校誘発・維持要因により生じた不登校と考えられた。症例1(11歳)へは、2期(2ヶ月間)、7セッションの介入の結果、再登校した。学習指導、運動指導、社会的スキル訓練、継時近接法による登校訓練、家庭内の行動修正、親指導を実施した。症例2(14歳)は、5期(10ヶ月)、29セッションの介入の結果、再登校した。学習指導、継時近接法と系統的脱感作法の併用による登校訓練、家庭内の行動修正、親指導を実施した。登校行動パターン形成と家庭内誘発・維持要因の除去を同時に実施したことが効果的であった。アセスメント項目に精神的・身体的症状及びその訴えに対する家族の対応をめぐる情報を追加する必要性が示唆された。

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© 1999 日本特殊教育学会
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