特殊教育学研究
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地域社会に根ざした「教育方法」から「援助・援護方法」への拡大 : 行動的コミュニティ心理学からの示唆
武藤 崇松岡 勝彦佐藤 晋治岡田 崇宏張 銀栄高橋 奈々馬場 傑田上 恵子
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1999 年 37 巻 3 号 p. 81-95

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抄録

本論文では、応用行動分析を背景に持つ、地域に根ざした教育方法を、地域に根ざした援助・援護方法へ拡大するために、応用行動分析が持つ哲学的背景や、障害のある個人を対象にした「行動的コミュニティ心理学」の知見を概観し、今後の課題を検討することを目的とした。本稿は、(1)応用行動分析とノーマリゼーションの関係、(2)行動的コミュニティ心理学のスタンス、(3)障害のある個人を対象にした行動的コミュニティ心理学の実証研究の概観、(4)その実証研究の到達点の評価と今後の課題、から構成されている。今後の課題として、概念、方法論、技術の各レベルにおける、他のアプローチとの研究的な対話の必要性と「援護」に関する方法論的・技術的な検討の必要性が示唆された。

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© 1999 日本特殊教育学会
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