特殊教育学研究
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病弱教育における自立活動の行き詰まりとその打開策
武田 鉄郎
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2006 年 44 巻 3 号 p. 165-178

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抄録

本研究では、病気の子どもの「自立活動について、教師や学校は、いま、どこで、どのような問題や課題を抱え、行き詰まりを感じているか」に着眼し、実際に学校現場に対し行き詰まりの実態調査を行うとともに、その対策等について検討することを目的とした。1次調査では、病弱教育における自立活動に関する課題を整理・分析し、考察することを目的とし、全国の病弱養護学校96校を対象に、自立活動担当主任またはそれに該当する担当者が回答するアンケート調査を実施し、病弱教育における自立活動に関する課題を分析し、構造化した。それをもとに質問紙を作成し、2次調査を行った。内容は、自立活動の行き詰まりの概念を意識レベルと意識していないレベルに分け、意識レベルでは行き詰まりタイプ1から3に構造化し、腎臓疾患等の慢性疾患の児童生徒が多く在籍する学校、心身症・神経症等を伴い、不登校の経験をもつ児童生徒が多く在籍する学校、白血病等の小児がんの児童生徒が多く在籍する学校を訪問して、聞き取り調査を行い、自立活動の行き詰まりの内容を整理検討した。そして、各校に共通した行き詰まりや疾患別の行き詰まりについて、個人レベルか、学校レベルか、医療機関等の他者が絡むレベルなのかによりその解決法を提案し、考察を行った。

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© 2006 日本特殊教育学会
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