本研究は、知的障害養護学校中学部に在籍する3名の生徒を対象に、自発的な余暇活動の開始行動を形成する指導を行った。指導では、事前調査および行動観察に続いて自発的に余暇活動を開始する指導(自己開始指導)を学習室と生徒の教室において実施した。また、レジャーナビという活動の選択決定を援助する補助具を活用した。その結果、3名の生徒すべてが、自分から余暇活動を開始することが可能になったが、自発的に活動を開始するための行動連鎖を習得させるためには、個に応じた支援を適宜加えていく必要があることが明らかになった。また、指導の経過から好みの余暇活動を自ら表明できること、他の生徒や教師とのかかわりの広がり、さらに活動のレパートリーの拡大などの副次的な行動の変化が確認された。それらの結果について、発達障害のある生徒が余暇時間を主体的に活動するための指導のあり方から検討を加えた。