抄録
体験的な活動を伴う学習(以下、体験的な学習)は、自然や社会や人々とのかかわりの中で行われ、社会性や生きる力を育む重要な役割がある。治療や病状のため、さまざまな制限のある小児がんや慢性疾患の児童生徒は、入院中、日常的な体験が乏しくなるため、自然や社会体験を補う必要がある。そこで、病院内にて教育を行っている学校や学級の体験的な学習を調査し、考察を行った。調査結果から、病院内では種々の制限のため、自然や社会の体験的な活動を健常児と同様に行うのは難しいことが明らかになった。一方、制限への対策として、学校が病院の協力を得て「内容・方法・場所の工夫」「治療・処置の調整」、病院や外部の「施設や人材の活用」等を行うことにより、病院内教育にてさまざまな体験的な学習ができることや、活動の必要性が示唆された。また、学校が病院と「病状や配慮事項」「活動内容」等の情報を共有・調整し、協力や相互理解により、活動できるようになることも示唆された。