特殊教育学研究
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スペシャルオリンピックス日本における地区組織での取り組み
―設立年数と活動規模の違い―
勝二 博亮
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2011 年 49 巻 3 号 p. 273-282

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抄録

スペシャルオリンピックスの活動を広めるための課題を明らかにすることを目的として、各地区組織を対象にアンケート調査を実施した。その結果、設立5年以上の地区組織では、18歳以上のアスリートの占める割合が高かった。また、スポーツプログラムに加えて、アスリート会のような文化プログラムも充実していた。多様な活動プログラムを提供するには、継続した活動の中で、種目に対応するコーチの確保やアスリート自身の成長が必要であると示唆された。一方、活動規模が大きくなるほど、アスリートの興味関心に応じたプログラムを用意しており、コーチやボランティアとして、ファミリー以外の人材の確保に努めていた。資金面でも、大規模組織で必要金額の策定を行っており、戦略的な財源の確保に取り組んでいた。しかし、いずれの地区組織も、人的・物的資源や財源の確保に苦慮しており、さらなる発展のためには、日々の地道な活動の中で、その素晴らしさを地域に発信する広報活動の強化が重要であると示唆された。

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© 2011 日本特殊教育学会
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