特殊教育学研究
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研究時評
学齢期吃音に対する多面的・包括的アプローチ
―わが国への適応を視野に入れて―
小林 宏明
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2011 年 49 巻 3 号 p. 305-315

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抄録

吃音の言語症状、吃音に対する認識や感情、子どもを取り巻く環境等のさまざまな要因を取り扱う多面的・包括的アプローチについて、(1) 多面的・包括的アプローチが開発された背景、(2) 現在開発されている多面的・包括的アプローチの概要、(3) 日本で行われている吃音指導支援実践との共通性、について検討した。その結果、(1) 多面的・包括的アプローチ開発の背景には、サブタイプ研究の進展、多要因モデルの提唱、吃音指導支援観や障害観の変化、吃音指導支援方法の近年の動向が関与している、(2) 今回取り上げたすべての多面的・包括的アプローチで、吃音の言語症状、吃音に対する認知・感情、子どもを取り巻く環境に対する評価と指導支援の枠組みが用意されている、(3) 現在わが国で行われている吃音の指導支援実践報告との共通性が高い、ことが示された。最後に、今後の展望について、おもにわが国における多面的・包括的アプローチの適応という観点から考察を加えた。

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© 2011 日本特殊教育学会
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