2013 年 51 巻 4 号 p. 381-390
本稿では、おもにLD児を対象に含む通常の学級における協同学習の研究動向について概観し、今後の研究の課題について探った。協同学習は単なるグループ学習ではない。協同学習の5つの基本要素を満たすことで、学力のみならず、社会性、仲間の受容、多様性の理解、高次の思考スキルの促進など、さまざまな効果を及ぼすことができる。学習障害(LD)等の障害のある子どもにも活用される協同学習の代表的な教授モデルについて整理した。また先行研究において協同学習にはどのような効果が示され、今後LD児等を対象にした研究が進展していくためには、どのような課題があるのかを論考した。