抄録
障害者支援施設における支援員のバーンアウトに対し効果的な援助の方向性を見いだすため、「利用者支援において支援員が支援困難と感じる場面の構造を同定すること」、「得られた支援困難場面の生起頻度および認知的評価と職業性ストレス反応との関連を検討すること」の2点を目的とし調査を行った。予備調査で得られた支援困難場面50項目の因子分析からは、「社会的コミュニケーションの困難」「身辺自立の問題」「自傷・他害行動」の3因子が抽出された。続けて行った相関分析・重回帰分析から、支援困難場面に対する認知的評価のうち、「社会的コミュニケーションの困難」と職業性ストレス反応の間に特に強い関連が示唆された。以上から、支援員のバーンアウト対策において、専門家が利用者に直接介入し支援困難場面の生起頻度を低減させるだけでは十分な効果が得られず、併せて支援員の支援困難場面に対する認知的評価の変容を援助する必要性があることを指摘した。