特殊教育学研究
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実践研究
特別支援学級に在籍する特別な支援を必要とする児童の宿題遂行と提出の促進
宮田 賢吾村中 智彦
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2016 年 54 巻 2 号 p. 87-99

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抄録

小学校特別支援学級に在籍する特別な支援を必要とする児童5名を対象に、宿題遂行と提出を促進し、その要因について検討した。指導は事前アセスメントおよびベースライン(BL)期、支援I期、支援II期で構成し、指導および観察場面は対象児童の在籍する特別支援と交流学級であった。支援I期では、宿題の課題難度を下げ、課題量を減らす先行操作と、児童が使用する宿題カードを改善し、宿題遂行を自己評価する、教師や家族、友達から称賛を繰り返し得られる結果操作を取り入れた。支援II期では、学校での自発的な宿題提出を高めるために、支援員の立ち位置を変更した。その結果、支援I期では、児童5名の宿題遂行のレベルは高まり、4名で自発的な漢字の書き取りや計算を家庭で遂行した結果も提出されるようになった。支援II期では、2名の宿題提出の自発レベルが高まった。先行操作と結果操作を組み合わせた包括的な支援によって、児童の宿題遂行のレベルが高まったことを示唆した。

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© 2016 日本特殊教育学会
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