本研究では、知的障害特別支援学校教員が機能的アセスメントに基づいた行動問題支援を行う際に、直面する困難について調査した。行動問題支援に関する研修に、自主的に参加した17人の教員を対象とした。研修は、講義と演習から構成された。演習では、参加者がそれぞれの学校で実際に支援をしている児童生徒を対象として、機能的アセスメントに基づた支援計画の作成、実行を行った。(1)アセスメント、(2)観察・記録、(3)支援計画の作成、(4)支援計画の実行、の各段階において難しかったことを質問紙により問い、回答を得た。質問紙は、全24項目の困難を5段階で問うリッカート尺度と自由記述法を採用した。結果として、(a)問題となる行動についての情報収集、(b)行動の記録、(c)計画の実行に関する具体的な困難が示された。知識やスキルの不足を要因とする技術的な課題と他の教員の理解や協力といった支援体制の課題が示唆された。