2017 年 55 巻 4 号 p. 211-221
本研究では、小学校言語障害通級担当教師の職務認識とその関連要因を明らかにするために、質問紙調査を実施した。153名を分析対象として、職務認識について因子分析を行った結果、「教科指導に関する担任との連携」「地域の関係者との連携体制構築」「各教科等の学習上の困難の背景要因の明確化」「級友との関係を踏まえた自己理解・自己肯定感の向上を図る指導形態の工夫」「言語障害の改善」の5因子が抽出された。影響要因との有意な関連がみられた因子は、「地域の関係者との連携体制構築」「各教科等の学習上の困難の背景要因の明確化」であった。「教科指導に関する担任との連携」と「級友との関係を踏まえた自己理解・自己肯定感の向上を図る指導形態の工夫」については、いずれの要因からも影響を受けていなかった。以上の結果から、言語障害通級担当教師の養成および現職研修のあり方が検討された。